先日、お檀家さんよりこのようなご相談がありました。

「先日お墓参りの際に墓石に水をかけてからお参りしていたのですが、それを見た親戚にご先祖さまに失礼に当たる、と注意されました。本当に失礼にあたるのでしょうか?」

その親戚はお墓には「水鉢」があるのだからそこに水を入れるべきで墓石にはかけるべきではない、墓石はお魂がはいっているのだから直接かけるという行為はご先祖に水をかけているようなものだから失礼に当たる、という見解だそうです。

それでは今回はお墓参りの際に墓石に水をかけるべきか、かけないべきかについて見ていきましょう。

本記事の内容

お墓参りの親子
①お墓参りの時にお水をかける理由は2つあります
②お墓にお水をかける本当の理由
③お墓にかけるお水は「清淨なお水」を!
④お墓参りの際にはお水をかけても大丈夫!
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お墓参りの時にお水をかける理由は2つあります【一般論】

そもそもなぜお墓参りの際にお墓にお水をかけるのでしょうか。

一般に言われているのが
①ご先祖さまの乾きを潤すため【お供えとしての意味合い】
②お墓の汚れを綺麗にするため【掃除としての意味合い】

の2つでしょうか。

先述した親戚の方の言い分としてはお水をお供えするのに墓石にかける必要がない、水鉢があるのだからそこにお供えするべきだ、ということでしょう。

ただ、②の掃除としての意味合いを考えれば直接お水をかけても失礼には当たらない、という言い分もわかります。丁寧にやるならば水を含ませた雑巾でこする、というのが一番でしょうが、毎回そこまでできるか、と考えるとちょっとむずかしいですね。

ちなみに私の友人はお盆のお墓参りの際には「ご先祖さまも暑そうだから」という理由で水を墓石にかけているそうです。
少しでも涼んでもらいたい、という想いを込めて。
なるほど、そういう考え方もあるのだな、と感心しました。

しかし実のところ、「お水を墓石にかける本当の理由」というのは別にあるのです。。。

お墓にお水をかける本当の理由

「お墓にお水をかける本当の理由」、それは2つあります。

①救われていないご先祖さまの飢えや乾きを消すため
②ご先祖さまの憂いごとや怒りや恨みなどの「煩悩の焔」を消すため

です。

ご先祖さまの中には苦しんでいる方々も、、、

こういうと「うちのご先祖(特に祖父母や両親)がそんなことがあるはずがない!」と不愉快に感じる方もいるかも知れません。
ただ、落ち着いて、少し考えてみてください。。。

ご先祖さまは10代さかのぼるだけで1000人以上いらっしゃるのです。
20代遡ると200万人、、、。

この膨大な人数の中には

  • 戦や騒乱で亡くなった方
  • 災害や病気で亡くなった方
  • 若くして亡くなった方
  • 生まれてこれずに亡くなった水子さん

そういったご先祖も数多くいらっしゃると思います。
そういった方々の中にはこの世に未練を残している方や怒りや恨みなどを抱いている方もいるかも知れません。
志半ばで亡くなって、家族のこと、子孫のことが心配でたまらない方もいるかも知れません。

そういったご先祖さまのために、お水をかけてあげるのです。

水鉢にお供えするだけでは、足りません。
焔は消えません。飢えや乾きは消せません。
たくさん、かけてあげましょう。
心を込めて、供養の気持ちを持って。

そう考えると、お墓に直接お水をかけることは決して無礼でも非礼でもないと私は思いますがいかがでしょうか。

清淨な水をかけましょう【ただのお水でなく】

さて、もう一歩先へいきましょう。

実のところ、ただ単にお墓にお水をかけても先述の苦しんでいるご先祖さまには残念ながら届きません。。。

救われないご先祖さまのいる世界では水や食べ物は全て口に入る前に焔に変わってしまい余計苦しんでしまう、と言われているのです。。。

では一体、、、どうすればいいのか、、、。

大丈夫です。安心しましょう。方法はあります。

それは「お墓にかける水を清淨な水にする」ということです。

「清淨な水」というのはミネラルウォーターであるとか、水道水であるとか、そういったことではありません。

お墓にかける水やお供えする水に「南無妙法蓮華経」の「御題目」を唱えてからかけるようにするのです。唱える、というよりは吹き込む、という方がよろしいかもしれませんね。

各々が信じる短かいお経や「聖なる言葉」でもよろしいと思います。
特定の信仰が無かったり、よくわからない方は是非とも「御題目」を唱えてみて下さい。

そうすることではじめて救われていないご先祖さまにもお水が届きます。
煩悩や憂いの焔を消すことができます。

そうした「清淨な水」を直接かけてもらえれば、、、ご先祖さまは無礼に感じるどころか大変喜んでいただけると思います。

ちなみにですが、故人が好きだから、とジュースやお酒の類を直接かけたり、水鉢に入れるのはおすすめできません。
これはお供えに向かない、といったことではなく単にお墓が汚れ、悪臭がついてしまったり、シミになってしまったりカビの原因となってしまうからです。

まとめ : お墓にお水をかけましょう【清淨な水を 心を込めて】

お墓にお水をかける、かけないについてのわたしの見解でした。

丁度今はお彼岸の時期です。
これからお墓参りに行かれる方もいると思います。

清淨な水を、心を込めて、お供えし、供養することであなたのご先祖さまは大変お慶びになられるでしょう。
どうぞ安心してお水をかけてご供養してください。

ただ、これはあくまで私の見解です。
他の宗派や他のお坊さんの中には「そんなことはない!お墓にお水をかけるなんてとんでもない!」とおっしゃる方ももいらっしゃるかもしれません。
もしそのように注意された時は素直に従ったほうがよいでしょう。

要はその人の心持ちひとつ、ということです。