故人の誕生日をお祝いするのはNG?現役僧侶が解説します

亡くなった大切な人に対してみなさんもご供養をすることと思います。
ところで皆さんはいつ、大切な故人に対してお参りをしていますか?

殆どの方は「お盆やお彼岸」や「法事」などの仏事のとき、そして亡くなった「命日」だと思います。

しかし、私は今では大切な故人の誕生日にもお祝いを兼ねてお参りをするようにしており、そのように縁ある方におすすめしております。

今回はそうなったいきさつと、私の僧侶としての見解をお伝えできればと思います。

本記事の内容

◯亡くなった人の誕生日をお祝いするのはNG?

◯私が亡き母の「誕生日」を大切に考えるようになったきっかけ

◯大切な故人の「特別な日」には、想いを捧げよう!

あることををきっかけに故人の誕生日をお祝いするようになった現役僧侶である私が解説します。

それではいってみましょう!

目次

故人の誕生日をお祝いするのはNG?

結論からいいますと、

「全然OK。むしろ大切に考え、お祝いをしましょう。」

が私の答えになります。

私がそう考える理由は大きく分けて2つあります

一つは

「生前の徳を讃えて故人の誕生日をお祝いをするということは太古の昔から行ってきたから」という理由から。

もう一つは

「私が亡き母の誕生日を毎年にぎやかにお祝いしているから」

です。

理由①:生前の徳を讃えて故人の誕生日をお祝いをすることは昔から行ってきたから

仏教ではお釈迦様の誕生日のお祝いをする「おはなまつり」があります。

おはなまつりではお釈迦様がお生まれになった際に降ったとされる甘露の雨になぞらえてあまちゃをかけます。

また、私が副住職を務める長光寺の宗旨である『日蓮宗』では日蓮聖人のお誕生日である『2月17日』は『降誕会(ごうたんえ)』として各寺院にて盛大に法要を執り行います。

(たしかクリスマスもそのような伝承でしたよね?諸説あるみたいですが)

生前の徳を讃えて故人の誕生日を「お祝いをする」ということは昔から行われてきたことでありますから、あなたの大切な故人の誕生日をお祝いすることは何ら問題はないと思います。

理由②:私が亡き母の誕生日を毎年にぎやかにお祝いしているから

実はこの投稿をしている日「1月26日」は私の母の誕生日です。

母は3年前に亡くなりましたが毎年、賑やかに、お祝いとご供養をしております。
母が大好きだった食べ物、飲み物。きれいなお花。
それらをお供えして、家族でお祝いをしています。

命日は1月10日ですのでかなり近いのですが、両方とも母にとっても、我々家族にとっても大切な日ですので、両日ともにこれからも大切にしていきたいと考えています。

命日はどちらかといえばご供養が中心ですが、我が家では母の好物や香りのいいお花をたくさんお供えしてご供養します。

そして誕生日にはこれまた母の好物やお花に加えて誕生日ケーキもプレゼントもお供えします。そして、皆で明るく「ハッピーバースデー」の歌まで歌ってしまいます。

こうして誕生日は皆で明るい気持ちで過ごしますので、自分自身も、家族も、みんなで母の話をしたり、団らんして過ごせたりしてすごく充実した幸せな時を過ごせます。

ですので、私は大切な故人の誕生日をお祝いすることを胸を張っておすすめします。

ちなみに、子どもたちはケーキを食べれるのでさらに嬉しがっています(笑)

私が亡き母の誕生日を祝うようになったきっかけ

「亡くなった人の誕生日を気にするの?」

「亡くなった人の誕生日をお祝いするのは不謹慎」

そう思われる方もいると思いますし、その考えが私にも理解できます。
なぜなら、何を隠そう、母が亡くなるまでは私もそう考えていたからです。

私も実際、「亡くなった人の誕生日」をお祝いするということに違和感を感じました。

その大きな理由としては、我々僧侶がお参りをするのは基本「命日」。
毎日、月命日や祥月命日に該当する檀信徒やご先祖さまの法号を読み上げて供養するのがお勤めの日課です。
ですので「NG」とまでは思いませんでしたが、亡くなった方の誕生日をお祝いしたり、丁重に供養する、という考えが全く有りませんでした。

そんな私の転機は母親が死去した年の母の誕生日でした。

妻のはからいで亡き母の誕生日に盛大にお祝いを

先程も記しましたが、母の命日は1月10日で同月26日が誕生日です。
お祝いやプレゼントを考えていた矢先の突然の訃報でした。

亡くなってから初めての誕生日を迎える前日。
妻が「やっぱり、お母さんの誕生日のお祝いをしよう!」と言い出しました。

驚いた私は「誕生日?お祝い?」と少し動揺してしまいましたが妻は続けます。

「だってお母さんの生まれた日でしょ?あれだけ楽しみにしてみんなで考えていたお母さんの誕生日だよ?お母さんがいなかったらあなたもいない。そして私もあなたと出会えていないし、私達の子どもたちも生まれてきていない。だったら、ちゃんとお祝いしてあげようよ!」
と真剣な眼差しで言いました。

私もそんな妻の考えに感銘を受けました。
したらば、思い立ったら即行動!

早速近くのケーキ屋さんに「誕生日ケーキ」を買いに行き、妻は前日から母が好きだった食事の準備をしてくれました。

そして迎えた1月26日。

母の祭壇に小さなケーキをお供えして、大好きだったたこ焼き、今川焼き、あじごはんをお供えしてみんなでお参りをしました。

お参りだけでなく

「おかあさん、おめでとう!」

とみんなで祝福のことばもかけます。

そして最後に妻の発案でみんなで「ハッピーバースデー」を歌いました。

「ハッピーバースデーツーユー、ハッピーバースデーツーユー、、、うう。。。」
「ハッピーバースデー ディア おかあさーん、、、ヒック、えっぐ、、、。」

亡くなってからまだ日も浅く、全員が嗚咽混じりの、そんな歌でしたが、、、。

心からお祝いができて、本当にあたたかな気持ちになりました。

去年までは、一緒にお祝いして、楽しく、団らんして、恥ずかしそうに、

「ありがとう」

といってくれた母。

今はその姿は見えないけれど、こうして母を想い、お祝いをすると、仏さまの世界から「ありがとう」と微笑んでくれている、と思えてきます。

それからというもの、亡くなった人であっても、大切な人の誕生日にはお祝いとご供養を必ず行うようになりました。

大切なことを教えてくれた、経験させてくれた妻には、本当に、感謝しています。

まとめ : 大切な故人の特別な日には、思い出して思いを捧げよう!

仏教では亡くなると誕生日が増えると言われます。
ご命日は、故人の仏さまとして誕生日です。

この世に生を受けた奇跡の日である「誕生日」。
そして仏さまとなった日である「ご命日」。

こうした特別な日に、故人を思い出して想いを捧げる。
これこそ本当の『ご供養』ではないでしょうか。

あなたの大切な故人。

大切な人なのだから、きっと誕生日は覚えているはず。

ぜひ、その大切な人の誕生日にお祝いをして今のあなたの想いを捧げてみて下さい。

きっと、あたたかな、一時が過ごせることでしょう。

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この記事を書いた人

お坊さん歴も20年に差し掛かった中年坊主。
「あなたの日常をほんの少しゆたかに」
そんな想いでブログを執筆しています。
ほとけさまのみおしえや仏事のこと、また日々のお役立ち情報を中心に色々と発信していきます。

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